Kindle PaperwhiteでWikipediaを参照できる意味

 

Kindle PaperwhiteでWikipediaが参照できる

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Kindle Paperwhite上でWikipediaはこのように表示されます。

おまえいつKindle Paperwhite買ったんだよと突っ込まれるぐらいに突然所持しているわけですが、箱から出す様子だけを今更ブログに上げたところでそれを行った先人がたくさんいるので割愛します。ただそうした様々なレビュー記事を見てもWikipediaについてあまり説明をされていないように思えますが、Kindle PaperwhiteではWikipediaの参照が可能です。今日はこれについてちょっとした思いを書いてみようかと思います。

 

Kindle Paperwhiteでは、検索窓からの検索先をWikipediaにすることが可能です。

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 画面上部をタップしてメニューを呼び出し、虫眼鏡マークの検索ボタンを押して以下のように検索窓を呼び出します。

 

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検索窓の左にある選択項目で検索範囲を指定することが出来ます。

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これ自体にはなにも目新しいことはありません。なおかつ手持ちのスマートフォンでも同じことが可能です。ではこれが何を意味するのか。

 

読書という行為とハードウェアスペック

”読書”という行為において重要な要素はなんだろうかと考えた時、 それを行うハードウェアの問題とは別に、”いかに読書という行為を機能的にするか”という課題があります。つまるところ電子書籍を読むための端末のCPUがクアッドコアであったところで、ハードウェアとしてのインパクトはあっても読書という行為そのものには大した貢献をしないのです。もはや数年もしないうちに電子書籍リーダーのハードウェアスペックは頭打ちとなるでしょう。

しかしハードウェアの性能が最低限確保されているそれぞれの端末を横並びにしたとき、「では、この端末は”いかに読書というものを機能的なものにする”のかい?」と問いかけると、それらの端末はそれぞれハードウェアのスペックに依らない特徴を語り始めるでしょう。スペック競争とは違うところで進化が行われるのです。

ここではWikipediaについて取り上げますが、数多の電子書籍リーダーを調べてはいないので、同様のことが可能な他の端末はあるでしょう。その場合はKindle Paperwhiteと同じ読書体験を提供しているとお考えいただいて構いません。

ここで問題となるのは読書を機能的なものにするのはいいとして、「なぜKindle PaperwhiteでWikipediaを見ることが出来るようにしたのか」ということです。

この問いに対して検索対象があのウェブ百科事典たるWikipediaなのですから「調べ物が出来るように」と簡単に答えることは出来ます。では”何を”調べるのかです。読書を行なっている最中にWikipediaで何を調べるのでしょうか。

 

Wikipediaで作者について調べる 

様々な検索対象はあります。文中に出てきた場所、歴史的人物、花の種類、戦争の名前……。この中で私が最も重要であると考えるのは「作者について調べることが出来る」ことです。私の読書方法が稀な故かもしれませんが、兎にも角にもKindle PaperwhiteでWikipediaが使えると知った時に何を調べたかというと、今まさに読んでいる本の作者について調べました。

特に海外ファンタジーの場合、これは重要です。 作者のバックボーンを知るということ。作者はどこで生まれ、どこに暮らしているのか、どんな体験をしたのか。例えば物語に神話が関わるような場合、また自然豊かな風景描写がなされている場合、作者がどこにいた(いる)のかというのは物語を理解する上で大切な情報になります。さらには作者来歴でわかる範囲でその作者の生い立ちを知るというのも大切です。作品は作者の体験したことの結果です。生まれもそうですが、どのような幼少期を過ごしたとか、そういうことが記載されていれば、「その生い立ち故にこの物語か……!」と息を呑むこともあるでしょう。

ファンタジーが描かれた(構築された)裏付けというものを持っておいた方が、単純に名前も知らぬ作者の夢物語を読んで「ああ、おもしろかった」という表面をさらうだけの読書体験からひとつ深いところに行く事が出来るのです。

これをパソコンやスマートフォンを引っぱり出さなくても、端末内で完結させているという点でKindle Paperwhiteは読書という行為を機能的なものにしています。

 

何が出来たら読書が楽しくなるか

Kindle PaperwhiteでWikipediaを検索出来ることが、読書という行為を機能的なものにしているかに注目しました。

物語はそれを書いた人間が必ずいます。その人間、作者について知るということが、その物語をこの世に生み出した作者に対する敬意なのかもしれません。敬意なんて大それたことではないかもしれませんが、とにかく読書は読むという単純な行為の裏に「単純故に見落としてしまっている情報」がたくさんあります。

それを拾うことで読書という行為をより深いものにしていくことが出来る、それを機能的に実現する電子書籍リーダーというものに気がついた時、電子書籍リーダーたる専用端末、またスマートフォンやタブレットを使っての読書というものが激変することでしょう。